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古生物学:モロッコのホミニンの化石が現代人の出現を解明する

Nature

2026年1月8日

Paleontology: Moroccan hominin fossils shed light on the emergence of modern humans (Nature)

Nature

モロッコのカサブランカで発見されたホミニン(hominin)の化石は、約77万3,000年前にさかのぼると推定され、現代人の近縁種である可能性がある。これらの遺骸は、古い特徴と現代的な特徴が混在しており、アフリカとユーラシアの人類系統が分岐し始めた時期に近い位置づけを示唆している。Nature にオープンアクセスで掲載されるこの発見は、最古のホモ・サピエンス(Homo sapiens)以前に存在したアフリカ人集団に関する知見を提供し、人類のアフリカ起源説を裏づける証拠となる。

現代人、ネアンデルタール人、およびデニソワ人の最後の共通祖先は、約76万5,000~55万年前に生息したと考えられている。しかし、これらの祖先が最初にどこで出現したかについては議論があった。スペインのホモ・アンテセッサー(Homo antecessor)などの過去の発見は、ヨーロッパにおける祖先の可能性を示唆していたが、同年代の正確な年代測定がされたアフリカの化石は稀であり、アフリカの記録には空白が残されていた。

Jean-Jacques Hublinら(マックス・プランク進化人類学研究所〔ドイツ〕)は、モロッコのトマ1採石場Iにある「人類洞窟」(“Grotte à Hominidés” at Thomas Quarry I)から出土した化石を分析した。これには、2つの部分的な下顎骨、多数の歯、および脊椎が含まれる。周囲の堆積物の分析から、化石は約77万3,000年前の地球磁場の大転換期に近い時代に由来することが判明し、ホモ・アンテセッサーと同年代であることが示された。しかし、新たな化石は形態学的にホモ・アンテセッサーとは異なる。これは、ヨーロッパと北アフリカの間で地域的な分化が、前期更新世後半(late Early Pleistocene;約180万年前から78万年前)にはすでに生じていたことを示唆している。モロッコの化石は、ホモ・エレクトス(Homo erectus)などの種に見られる古風な特徴と、ホモ・サピエンスやネアンデルタール人に見られるより現代的な特徴をあわせ持つ。たとえば、臼歯のサイズパターンは初期のホモ・サピエンスやネアンデルタール人に似ている一方、下顎骨の形状はホモ・エレクトスやほかのアフリカの古人類に近い。

著者らは、モロッコの化石が現代人、ネアンデルタール人、およびデニソワ人の最終共通祖先ではないかもしれないものの、近い祖先である可能性があると指摘している。この発見は、ホモ・サピエンスの祖先がユーラシアではなくアフリカに由来することを支持するものであると著者らは結論づけている。

Hublin, JJ., Lefèvre, D., Perini, S. et al. Early hominins from Morocco basal to the Homo sapiens lineage. Nature (2026). https://doi.org/10.1038/s41586-025-09914-y

News & Views: Of all the quarries: Casablanca fossils reveal African ancestors of Homo sapiens
https://www.nature.com/articles/d41586-025-03986-6
 

doi: 10.1038/s41586-025-09914-y

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