2018年7月号Volume 15 Number 7

医療の効果を左右する「時計」

概日時計を考慮して特定の時刻に薬剤を投与する「時間治療」。服薬や手術の時刻を変えるだけで、副作用低減や余命延長、生活の質向上を実現すると期待される。臨床試験数が少ないことや、バイオマーカーが十分そろっていないことなど課題は多いが、2017年に概日リズムの機構解明にノーベル医学・生理学賞が贈られたことも追い風となり、普及への取り組みが始まっている。

Editorials

Free access

研究が特注ソフトウエアに支えられたものである場合、論文を投稿する際にソフトウエアのプログラムも提出して、査読を受けることを推奨します。

Free access

Natureの投稿の手引きは、編集過程・方針の一部に関する記述が十分に明瞭でないと思われるため、常に誤解が流布している。この社説で、それらを一掃するとともに、我々が投稿規定の改訂に取り組んでいることも伝えたい。

Top of page ⤴

Publishing Academy

Top of page ⤴

News

2016年に発生した記録的な海洋熱波で、グレートバリアリーフではサンゴの白化が観察されていた。追跡調査から、白化後のサンゴの大量死と、サンゴ礁の3分の1の大きな変化が明らかになった。

Top of page ⤴

News Features

特定の時刻に薬剤を投与する「時間治療」の有望性がさまざまな臨床試験で示されている。しかし、現実的な課題も多く、それを乗り越えるには試験のデータだけでは不十分なようだ。

脳の免疫系が、アルツハイマー病などの神経変性疾患を引き起こしている可能性が次々と報告されている。科学者たちはそれを食い止めることができるだろうか?

Top of page ⤴

Japanese Author

Free access

磁性体(磁石)が変形すると磁化方向が変わる性質を利用して、変形の方向を検出できる柔らかいひずみセンサーの動作実証に、東京大学大学院工学系研究科准教授の千葉大地さん、同研究科博士課程2年の太田進也さん、株式会社村田製作所シニアプリンシパルリサーチャーの安藤陽さんの3人が世界で初めて成功し、新創刊のNature Electronics 2月号に発表した。電子の磁気的性質であるスピンを活用する「スピントロニクス」と、折り曲げることができる電子部品を創造する「フレキシブルエレクトロニクス」を融合した新しいデバイス開発に道を開くものだ。3人に研究の背景、今後の方向性などについて聞いた。

Top of page ⤴

News & Views

脊椎動物に感染するRNAウイルスがこのほど包括的に調査され、未知のウイルスが大量に発見された。その分析から、ウイルスは宿主の種を飛び越えられるが、数億年にわたって宿主と共進化してきたものが極めて多いことが分かった。

銀河系の中心部の狭い領域に、恒星程度の質量のブラックホールを含んだ連星が12あることがX線観測で分かった。これは、この領域内に未発見のブラックホールが数千個あることを示唆し、銀河系の中心部にはブラックホールが集まっているはずだという恒星系力学の予測を支持する。

平面状の反応中間体の片面の特徴だけを認識して作用し、単一の鏡像異性体のみを選択的に生成する触媒が開発された。注目すべきことに、この反応はこれまでこうした選択性を持たないとされてきた機構で進む。

Top of page ⤴

News Scan

新規化学物質を作り出しており、医薬品に使える可能性も。

Top of page ⤴