Nature Video活用事例

このセクションでは、Nature Video を授業の教材として活用されている事例をご紹介いたします。

法政大学 藤田貢崇研究室では科学ジャーナリズム・物理学をはじめとして、広くジャーナリズムや科学を演習テーマとして扱っています。研究室では、Nature Video を1教材として活用し、ビデオで紹介されている研究を、学生とディスカッションしながら科学ジャーナリズムの観点から高校生や大学の学部学生にもわかりやすく解説することを目的としています。

この教材で使用されているビデオの関連記事はNature ダイジェスト に掲載されています。詳しく解説されていますので、教員の皆さまの活用事例としてだけでなく、高校生、大学生、大学院生の皆さまが背景を理解するのにも役立ちます。この教材で背景をつかんだ上でNature ダイジェスト をご覧いただきますと、科学をさらに深く楽しんでいただけます。

*本セクションに掲載のコンテンツは全て、法政大学 藤田貢崇研究室の責任の元執筆、掲載されています。

新聞などの科学記事よりも踏み込んだ内容のNature ダイジェスト は科学と社会との結びつきを意識させ、優れた映像作品の Nature Video は多くの人々の興味を引きます。科学は社会にさまざまな影響を及ぼしていますが、科学を専門としない学生たちが科学を議論することで、自分たちがどのように科学と関わっているかを理解し、科学がどのような方向に向かうべきかを自分なりに根拠をもって判断できるようになることを願っています。

法政大学 経済学部 物理学・科学ジャーナリズム教室 教授 藤田貢崇

フィリピンの洞窟で発見された新たな人類

フィリピンで発見された古代人類の一部の化石は、これまでに知られていなかったものらしい。発見された化石は、現代人類の特徴を備えているが、一方で直立歩行はしていなかった証拠も示された。いろいろな種の人類が生きていたと言われる5万年前のアジアは、どのような環境だったのだろうか。

航空写真から明らかになる氷河の変遷

世界最大の島であるグリーンランドは、その80パーセント以上が氷で覆われている。地球温暖化によってグリーンランドの氷河は融け続けているといわれるが、気温上昇と氷河の変化は詳細に調べられてはいなかった。過去に撮影された航空写真を利用した氷河の変遷に関する研究を紹介しよう。

ついにブラックホールの姿が捉えられた

イベント・ホライズン・テレスコープによって、人類が初めて目にしたブラックホールの最初の画像が撮影された。これまで、ブラックホールは間接的に存在が確認されてはいたが、直接的に確認されたのはこの画像が初めてであり、科学史上でも画期的なできごとだ。

タンポポの種が遠くへ飛ぶしくみ

タンポポの黄色い花は、やがて白い綿毛に変わる。誰もが飛ばして遊んだことのあるタンポポの種だが、ときには数キロメートル先まで飛んでいくという、そのしくみは今までわかっていなかった。種が軽いということはもちろんだが、長時間にわたって飛び続ける仕組みは「渦」にあるという。

ミツバチの蜂球を支える知性

社会性の高い活動をする昆虫として知られているミツバチ。同じ巣の仲間にとって最善と考えられる行動を、どういう原理で導くのだろうか。その原理には物理学の知見が役立っているらしい。ミツバチの社会を支えるミツバチの知性を探る。

ハリケーンによる自然選択を記録した初めての研究

生物は長い期間をかけて進化の道をたどってきた。自然災害による生物集団の特性の変化は、自然選択として進化の方向性に影響を及ぼすかもしれない。しかし、これまでその過程を詳細に述べた研究はなかったという。ハリケーンによる生物集団の特性の変化が初めて記録された研究を紹介する。

銀河の巨大な集合体と「バリオン」のある場所

私たちの銀河系は、宇宙のどのあたりにあるのだろうか。広大な宇宙の中で銀河系の位置は説明できなくても、銀河系がどのようなまとまりの中に存在するのか、という答えはある。2014年に明らかになった銀河のまとまりは、それまでの想像を絶するほどの大きさだった。

コアラのゲノム解析が語ること

愛くるしい姿で多くの人気を集めるコアラ。出産した子どもを腹部の袋で育てるという、オーストラリア大陸で特異な進化を遂げた動物の一種だ。最近の研究で、コアラの遺伝情報をすべて解読することに成功した。コアラの不思議な生態の秘密が、このゲノム解析で明かされていくだろう。

サンゴ礁を取り巻く危機

「海の熱帯雨林」とも呼ばれるように、サンゴ礁は多くの生き物のすみかであり、生態系で重要な役割を果たしている。海中のサンゴを直接観察できる顕微鏡が開発され、サンゴの生態が明らかになってきた。一方で、現在の海の環境はサンゴに大きなダメージを与えている。

抗凝血薬「ワルファリン」はこうして生まれた

ワルファリンは、世界でもっとも広く処方されている医薬品の一つ。「血液をサラサラにする薬」と言えば、わかりやすいだろうか。血液が固まるのを妨げるため、脳卒中や心臓発作、深部静脈血栓の予防や治療に用いられる。この薬の開発物語は、カビの生えた干し草と多くの死んだ牛から始まった。

超新星爆発のしくみを再現する

質量の大きな恒星が一生の最後に起こす超新星爆発については、現代でもわかっていないことが多い。スーパー・コンピュータを利用した最新の研究は、超新星爆発の最初のわずか0.5秒の間に、物理的にどのような現象が起こっているのかを明らかにした。

バーチャル・タイムマシンで過去のヴェネチアを再現する

現代の科学技術は、ヴェネチアに残されている過去の膨大な記録から、当時の都市の様子や社会的な状況をもバーチャルで再現することに成功した。現代の私たちは科学技術によって過去を再現したり、また古代建造物を非破壊的に調査したりすることを可能にした。

ホーキング博士の偉大な足跡

イギリスの物理学者スティーブン・ホーキング博士は、難病と向き合いながらも常に宇宙物理学の最先端で研究を行い、広く市民に向けて科学を発信し続けていた。2018年3月の訃報は日本のニュースでも大きく取り上げられた。ホーキング博士が残したものを振り返る。

光合成から物質合成を、葉の形から環境変化を学ぶ

二酸化炭素と水から糖(デンプン)を合成する植物の光合成のしくみをまねて、産業的な物質合成の新たな手法をもたらすと期待される「人工」光合成を紹介する。また、光合成を行う主要器官である葉の形を分類したデータベースが完成した。葉の形がどのような情報を秘めているのかを探ろう。

大気の二酸化炭素量に影響を及ぼしたゴジラ・エルニーニョ

森林は大気中の二酸化炭素を吸収し、地球環境に大きな役割を果たしている。樹木が地球上にどれだけあるのかを示した研究を紹介する。また、近年発生した大規模なエルニーニョは、この森林のはたらきに影響を及ぼしたという。地球環境の変化は、私たちが思っているよりも危機的かもしれない。

コウモリを惑わせる見えない壁

飛ぶことのできる唯一の哺乳類であるコウモリは世界中に分布を広げている。コウモリには超音波を使って対象物の存在を確認する能力があるが、その能力は人間が造り上げたある種の構造物を認識することができないらしい。人間の活動は、野生生物にとって大きな脅威となっているのかも知れない。

人類史に疑問を投げかけた発見

人類はアフリカで生まれ、長い年月をかけて世界中へ広がった。アメリカ大陸に人類はいつ定住したかについて、現在のところ多くの研究者に受け入れられている学説は約2万年前というもの。米国カリフォルニア州の道路補修工事中に発見された遺跡から、その説を覆すような出土品が発見された。

世界中に広まったネコの足取りを探る

現在、世界中で多くの人々に愛されているネコにも、起源とする場所があるはずだ。ネコはいつ、どこで人間社会とかかわり始めたのだろうか。そしてどのようにして世界中に広まっていったのだろうか。ネコの化石の分析によるルーツを探る研究は、人間社会とネコとの深いかかわりを明らかにする。

蚊が飛ぶしくみをスローモーションカメラで明らかにする

「ブーン」と特有の音を立て、2枚の細長い羽(ほかの2枚は退化した)で飛ぶ蚊は、1秒間に500回以上も羽ばたくという。長い間の謎だった、昆虫が飛ぶ物理学的なしくみが解明されたあとも、蚊が飛ぶしくみはよくわかっていなかった。スローモーションカメラでの撮影により、その謎が明らかになった。

3Dプリンターでガラス造形物をつくる

化学の実験室にある、らせんを描くガラス管や枝のついた複雑なガラス製品は、専門の技術者が製作したもの。美しいガラス工芸品も芸術家の独創性に培われたものだ。現在、さまざまな分野に急速に普及している3Dプリンターで、複雑な形をしたガラス作品を作るという手法が開発された。

宇宙初期の「地図」作成から25年

宇宙のあらゆる方向から届くマイクロ波背景放射。このマイクロ波を全天で観測を行ったCOBEの観測から今年で25年が経った。映像では、計画を進めた研究者がどれほど期待を込めて研究を進めたかが収録されている。COBEからPlanck衛星まで、宇宙論にどのような進展があったのか、振り返ってみよう。

石器を「つくった」サルの話

「鋭い縁の薄い石器は初期の人類がつくったもの」というストーリーは、書き換えなければならないようだ。初期の人類の遺跡に残っている石器とよく似たものを、オマキザルもつくっていることが発見された。オマキザルは偶然つくってしまっただけなのか、それとも意図的につくったのだろうか。

身近な遊びを科学技術に応用する

研究者は新しい観測事実の発見のため、あるいはよりよい理論を考え出そうと日々工夫や努力を重ねている。ときには、日常の生活や子どもの頃の遊びの経験が新しい技術開発の種になることがある。おもちゃの「ぶんぶんゴマ」に発想を得た技術が、開発途上国の医療に役立つ事例を紹介しよう。

探査機の行く手は惑星プロキシマb

太陽系外惑星のプロキシマbが発見されたのは2016年。生命体の存在を期待できるハビタブル・ゾーンにあるこの天体を直接探査する「ブレークスルー・スターショット計画」。これまでの探査衛星とは何が違うのか、計画実現のためにはどのような技術が必要となるのかを探る。

ありがとう、プランクトン!

水を漂うプランクトン。映像で紹介されているように、じつに多様な形と色をした生き物たちだ。水の中に生きる小さな生き物たちの世界を身近な存在とは言えないが、プランクトンは私たちの生活をさまざまな面から支えている。小さなプランクトンに大きな感謝を捧げよう。

あなたの実験結果、再現できますか?

研究の成果としての科学論文には、ほかの研究者が結果を検証できるように実験方法を明記する。必要な実験装置と必要な技術さえあれば、その結果は誰もが再現できるはず、と多くの人は信じているのではないだろうか。しかし、実際はそうではないという衝撃的な現実が明らかになった。

すぐ近くにもあった太陽系外惑星

太陽にもっとも近い恒星プロキシマ・ケンタウリに惑星が存在していることが明らかになった。宇宙空間では「すぐ隣り」にある惑星系ということになるが、その惑星はどのような環境なのだろうか。生命体が存在する可能性はあるのだろうか。新たに見つかったこの太陽系外惑星に寄せられる期待は大きい。

脳の地図を作り上げる

私たち人間の中で体重のわずか2パーセントしかない脳。しかし、現代科学でも脳についてはいまだに謎が多い。「脳のどの部分が、どんな活動をつかさどっているのか」を明らかにすることは脳神経科学者の夢だ。最近、大規模研究プロジェクトの成果として、最新の「脳地図」が得られた。

ついに捉えられた重力波

人類はついに重力波を観測した。アインシュタインの理論を裏付けるこの観測結果は、ニュースでも大きく取り上げられた。重力波は日常生活では実感できないが、非常に大きな質量によって時空が伸びたり縮んだりした「ゆがみ」が波となって伝わったものだ。重力波はどのようにして捉えられたのだろうか。

化石人類「ホビット」の歴史を紐解く

身長1メートルほどの身長で、インドネシアのフローレス島に住んでいた化石人類の「ホビット」。この人類よりもさらに古い人類の化石が同じフローレス島で発見された。ホビットがこんなにも小柄だった理由や、本当に石器を作っていたのかなど、いくつかの疑問が明らかになりつつある。

彗星は太陽系の歴史を知っている

欧州宇宙機関(ESA)の探査機ロゼッタはチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星に接近し、着陸機フィラエの着地を成功させた。詳細な観測から、地球の水と彗星の水は起源が異なっていること、予想外に大量の酸素が存在することなどが明らかになった。新たな観測事実は、さらに新たな謎を引き起こした。

法政大学 経済学部 物理学・科学ジャーナリズム教室 協力学生
相場竣介、石塚克己、今泉健、鵜澤駿、小林稜、柴崎啓介、田中海斗、渡邊航、内田優花、小澤理佳、齋藤唯央、三部雄太、酒本竜矢、武本陸、中村優輝、西田昂太、納富廉、原口敬吾、松本大志、三堀敦矢、山口陽向、青木巴希、太田優樹、加藤遼、後藤潤乃介、佐藤勇進、髙木力、丹羽修香、涌井陸

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Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778

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