Nature ハイライト

神経科学:睡眠の起源

Nature 568, 7751

ショウジョウバエ(Drosophila)では、背側扇状体(dFB)に投射する睡眠促進ニューロンが、睡眠要求の関数として電気的活動とその停止の切り替えを行うが、これを仲介する共役機構は未解明である。今回G Miesenböckたちは、睡眠を遮断するとdFBニューロン内でミトコンドリアの活性酸素種レベルが上昇し、酸化された補因子NADP+がShakerカリウムチャネルのサブユニットHyperkineticに結合してニューロンの発火を高め、その結果睡眠を促すことを見いだしている。これらの知見は、特定のニューロン内で、エネルギー消費と酸化ストレスと睡眠の間に機構的関連があることを示しており、薬剤開発の新たないくつかの分子標的を示唆するものである。

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