Nature ハイライト

Cover Story: 反撃の時:多剤耐性グラム陰性細菌に有効な新たなクラスの抗生物質

Nature 561, 7722

多剤耐性菌の増加は大きな懸念を生んでおり、中でも「ESKAPE」病原体と呼ばれる種類の耐性菌は、治療不可能な感染という最も深刻なリスクをもたらす。このうちグラム陰性細菌である大腸菌(Escherichia coli)、肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、アシネトバクター属菌のAcinetobacter baumanniiは、細胞壁の外側にもう1つの膜構造である外膜を持ち、これによって多くの薬剤の標的への到達が妨げられていることから、特に懸念されている。多大な努力にもかかわらず、グラム陰性細菌に有効な新しい抗生物質は過去50年間で1つも承認されていない。今回C HeiseとP Smithたちは、アリロマイシン類の天然物を化学的に最適化することで強力な広域抗生物質が得られ、この薬剤がin vitroおよび複数のin vivo感染モデルでグラム陰性細菌の臨床分離株に対して活性を示すことを報告している。著者たちは、今回の結果によって、最適化されたアリロマイシン類似化合物が、切望されている多剤耐性グラム陰性細菌感染の新規治療薬になる道が開かれるはずだと考えている。

Article p.189
doi: 10.1038/s41586-018-0483-6 | 日本語要約 | Full Text | PDF

2018年9月13日号の Nature ハイライト

プライバシーマーク制度