Nature ハイライト

Cover Story: 海の変化:サンゴ礁魚類の進化史から明らかになった、島嶼と海山周辺での海洋生物の多様化機構

Nature 549, 7670

ヴィトリア–トリンダデ海山列の海域に広がる、豊かなサンゴ礁環境。
ヴィトリア–トリンダデ海山列の海域に広がる、豊かなサンゴ礁環境。 | 拡大する

Credit: Photo by Hudson T. Pinheiro

表紙は、ブラジルの東方約1170 kmにあるトリンダデ・マルティン・ヴァス諸島の一部であるマルティン・ヴァスの島々である。今回H Pinheiroたちは、これらの火山島に注目し、この諸島の近海のサンゴ礁に棲む魚類の進化史を調べている。島の生物地理学では、島嶼の陸上生物、および陸上生物の多様性が海水準の変動、侵略、固有性によってどのような影響を受けるかに重点を置く傾向があり、島嶼の周囲に棲む海洋生物はこれまであまり注目されてこなかった。今回のPinheiroたちのサンゴ礁魚類の分析は、こうした島嶼の水域環境を形成する過程に光を当てている。分析の結果、海水準変動が海洋生物の種分化を促進したが、魚類は陸上生物より分散しやすいため、外来生物の流入によって多様性の増大が促進されていることが見いだされた。著者たちは、島嶼の地理、地質史、海水準変動が、陸上生物へ及ぼす影響とは異なる形で海洋生物の分散に影響を及ぼしている、と結論している。

Letter p.82
doi: 10.1038/nature23680 | 日本語要約 | Full Text | PDF

2017年9月7日号の Nature ハイライト

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