Nature ハイライト

微生物学:CRISPR干渉におけるセカンドメッセンジャー

Nature 548, 7669

CRISPR–Cas系は、原核生物において外来遺伝子エレメントに対する防御を提供している。この系は、主にRNAによって誘導される認識と干渉により、外来遺伝子の転写産物を検出・分解することで機能する。Csm6は外来転写産物を分解することが知られているCRISPR関連リボヌクレアーゼであるが、その活性が外来遺伝子の感知によって調節される仕組みは解明されていない。今回、Csm6が、III型干渉複合体内のCas10活性によって生じるサイクリックオリゴアデニル酸のセカンドメッセンジャーによって活性化されることが明らかになった。CRISPR干渉の調節におけるこの新たな機構は、哺乳類の自然免疫のある一面に類似しており、原核生物の免疫戦略ツールキットを拡大するものだ。

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