Nature ハイライト

神経科学:シナプスが情景を設定する

Nature 547, 7664

視覚刺激処理にはニューロン間のさまざまな結合が必要であり、各ニューロンが符号化する特定の視覚特徴が統合されることによって1つの情景の全体的表現が形作られる。しかし、この結合の論理や、各ニューロンが視野のさまざまな部分に関してどのような情報を受けているのかは分かっていない。今回S Hoferたちは、マウス視覚野の個々のニューロンの樹状突起スパイン上に入る興奮性入力の構成をマッピングしている。視野中の近い位置で同様の視覚特徴を表現する入力は、隣接するスパインに密集する傾向が見られ、観察下のニューロンの受容野から離れている入力は、高次の樹状突起分枝上に位置していた。類似性がない受容野を持つニューロン間の結合は、それらの受容野が空間的に離れている時により多く見られた。こうした配置によって、我々の視覚空間の一般的な要素である特徴、つまり物の輪郭や長く伸びた明暗縁を強調するのに適した演算単位が出来上がる。

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