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環境科学: 生物多様性喪失の脅威は手付かずの景観で最大となるブックマーク

Nature 547, 7664

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Credit: © RAZVAN CIUCA / Moment / Getty Images

生物多様性の喪失を抑制するための世界的な取り組みでは、絶滅の脅威が最大であると考えられる人の手が加わった景観や分断化された景観に対し、ほぼ手付かずの景観と比べてどれだけ保全努力を集中させるべきかを考慮する必要がある。M Bettsたちは今回、種の分布域に関する国際自然保護連合(IUCN)のデータおよび森林被覆度に関するリモートセンシングデータを用いて、手付かずの景観から人の手が加わっている景観まで、さまざまな地域での森林破壊が、世界の脊椎動物1万9432種が直面する絶滅リスクに与える影響を評価している。予想どおり、森林破壊は、生物種が絶滅危惧種となる確率を大幅に上昇させることが分かった。しかしこの関係性は、比較的手付かずの景観では不釣り合いなほどに高かった。著者たちは、森林喪失が現在の速度を保ったまま今後30年間進行すると、ボルネオ島、アマゾン中央部およびコンゴ盆地では、121~219種の生物が絶滅危惧種になると推定している。今回の知見は、世界最後の原生地域に巨大な絶滅の波が押し寄せるのを防ぐには、手付かずの森林景観の劣化および喪失を抑制するための大規模な取り組みが必要であることを示唆している。

Letter p.441
doi: 10.1038/nature23285 | 日本語要約 | Full Text | PDF

2017年7月27日号の Nature ハイライト

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