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創薬:新しい薬剤が狙い撃つ3つの熱帯病

Nature 537, 7619

いずれもキネトプラスト類の寄生虫によって引き起こされるシャーガス病、リーシュマニア症、睡眠病は、それぞれクルーズ・トリパノソーマ(Trypanosoma cruzi)、トリパノソーマ類のリーシュマニア(Leishmania spp.)、ブルース・トリパノソーマ(Trypanosoma brucei spp.)への感染が原因で、世界中で2000万人が罹患している。今回、進化的に保存されている分子標的を新たに探索し、3つの病気全ての治療に使えそうな、広範囲にわたる薬効のある薬剤を見つけ出すためのスクリーニングが行われ、キネトプラスト類のプロテアソームの選択的阻害剤の1つであるGNF6702が、最も有効であることが明らかになった。GNF6702はin vivoで極めて高い有効性を示し、この3種類の感染症のモデル全てでマウスから寄生虫が排除された。GNF6702は非競合阻害剤で、キネトプラスト類のプロテアソームに特異性があり、マウスでの忍容性は良好である。今回の結果は、このような複数の顧みられない病気の治療に使える単一種の薬剤の開発が可能と思われることを明確に示している。

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