Nature ハイライト

構造生物学:分岐したスプライシング複合体の構造

Nature 537, 7619

RNAからのイントロンの除去は協調的に進行する過程ではなく、スプライソソームによる2つのエステル交換反応が関わる順序立った過程である。第1段階では5′スプライス部位が切断され、イントロンの端がラリアット(投げ縄)構造を形成するように結合する。長井潔(英国MRC分子生物学研究所)たちは今回、低温電子顕微鏡単粒子再構成の手法を使って、この1番目のエステル交換(分岐)反応直後で停止した出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)スプライソソームの、全体分解能3.8 Åでの構造を捉えた。複合体内のRNAの立体構造は、2番目の過程であるエキソン連結反応に先立って構造の改変が起こることを示唆している。

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