Nature ハイライト

がん:ギャップ結合形成阻害剤による転移の減少

Nature 533, 7604

脳転移に対する新規治療法の開発では、転移機構についての知見の不足が妨げとなっている。今回、浸潤性の乳がんや肺がんの細胞が、本来なら保護的に働く脳アストロサイトネットワークに加わって転移を促進させることが報告された。腫瘍細胞はギャップ結合を確立し、それによってアストロサイトでの自然免疫応答シグナル伝達を活性化させ、アストロサイトは次いで転移性増殖と化学療法耐性獲得を助けるような因子を分泌するようになる。ギャップ結合機能阻害剤のメクロフェナム酸やトナベルサットはこのパラクリンループを中断し、実験的脳転移の増殖を減弱させるので、このような薬剤は臨床で有用となる可能性がある。

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