Nature ハイライト

ウイルス学:B型肝炎ウイルスに対する宿主の制限因子

Nature 531, 7594

B型肝炎ウイルスX(HBx)タンパク質の発現はウイルスDNAエピソームからの転写を促進することが知られている。M Strubinたちは今回、HBxが宿主細胞のユビキチン装置を乗っ取り、染色体の統合に広範にわたる役割を担っているSmc5/6複合体を標的として分解して、転写を促進することを明らかにした。Smc5/6複合体はウイルスゲノムに結合してその転写を阻害する制限因子として働いているらしい。この研究は、B型肝炎ウイルス感染に対する治療的介入のための新しい標的を示しており、また他のDNAウイルスもSmc5/6複合体による転写制限を受けている可能性を明らかにしている。

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