Letter
がん:REV7はDNA二本鎖切断切除を妨げてPARP阻害に作用する
Nature 521, 7553 doi: 10.1038/nature14328
DNA二本鎖切断(DSB)のエラーのない修復は、相同組換え(HR)により行われ、BRCA1はこの修復経路の重要な因子である。BRCA1を介したHRが起こらない場合、乳がんや卵巣がんの患者の腫瘍細胞では、PARP阻害剤の投与により合成致死が起こる。このテーラーメイド治療は効果を示すものの、HRが復元することにより薬剤耐性が生じ得る。BRCA1を不活性化する変異の遺伝的回復が、薬剤耐性を引き起こす機構である可能性はあるものの、全ての症例での耐性の説明にはならない。特に、BRCA1に依存しないHR復元についてはほとんど分かっていない。本研究では、マウスおよびヒト細胞株でREV7(別名MAD2L2)が失われると、BRCA1欠失細胞でのDSBのCTIP依存的な末端切除が復旧し、HRの復元とPARP阻害剤耐性が引き起こされるが、これはATMキナーゼの抑制により逆行することを示す。REV7は、H2AX–MDC1–RNF8–RNF168–53BP1クロマチン経路に依存してDSB部位へと誘導され、DNA損傷の許容におけるその調節作用に加えて、HRを阻害して末端結合を促進すると思われる。さらに我々は、REV7がDSB切除を阻害して、免疫グロブリンクラススイッチ組換えで非相同末端結合を促進することを示す。以上より、BRCA1欠失細胞での病理学的なDSB修復経路の選択を調節する際の、53BP1の下流におけるREV7の非常に重要な予想外の機能が明らかになった。

