Nature ハイライト

有機化学:安定な金(III)系触媒

Nature 517, 7535

高原子価遷移金属触媒反応は、合成化学者にとって貴重な手段となる可能性がある。しかし、高原子価遷移金属錯体は反応性が高く合成が困難なため、あまり開発が進んでいない。今回、容易に入手できる前駆体化合物から、高原子価遷移金属触媒反応を可能にする、3価の金(Au(III))触媒の開発が報告された。この触媒は、より調製しやすく安定で、反応性を調節しやすい。著者たちは、Au(I)錯体による温和な炭素–炭素結合開裂反応を利用して、安定なAu(III)カチオン錯体を生成している。この錯体は、選択的共役付加につながるα,β-不飽和アルデヒドや、[2 + 2]環化付加反応向けの不飽和アルデヒド-アレンを活性化できる。

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