Nature ハイライト

生物工学:ヌクレアーゼを使わないゲノムターゲッティングは安全性が高い

Nature 517, 7534

ゲノム編集の治療応用について、現在検討されているものの大半は、部位特異的エンドヌクレアーゼの存在を必要とするが、組織内にエンドヌクレアーゼが制御されていない状態で存在すれば、重大な有害作用を引き起こしかねない。今回、M Kayたちは、ヌクレアーゼを必要としないプロモーターレス組換えアデノ随伴ウイルスを用いたターゲッティングについて報告している。彼らはヒトの凝固第IX因子(F9)遺伝子を、血友病Bマウスの肝臓で発現するアルブミン遺伝子座に挿入した。この手法により、肝細胞のアルブミン対立遺伝子の約0.5%にオンターゲットの挿入が起きた。処置を受けたF9欠失マウスではF9血漿レベルは正常値の7~20%で安定し、その結果、凝固時間が正常範囲内に回復した。

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