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生物工学:ヌクレアーゼを用いないプロモーターレス遺伝子ターゲッティングでマウスの血友病Bを治療する

Nature 517, 7534 doi: 10.1038/nature13864

遺伝子を部位特異的に追加することにより、遺伝子治療での導入遺伝子の安定的な発現を可能にすることができる。遺伝子を無作為に挿入してしまうベクターは、クローン性増殖や腫瘍形成につながることもあるため、可能であるならば部位特異的な追加法の方が好ましい。選択的ゲノム編集を高率に誘導できる部位特異的エンドヌクレアーゼは、生物学的発見や遺伝子治療での用途も増えてきている。しかし、エンドヌクレアーゼによる有害な作用(オンターゲットとオフターゲットの両方)、そしてヌクレアーゼなしでもプロモーター挿入によってがん遺伝子の活性化が起こり得るという、2つの安全性の懸念が残る。本研究では、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)を用いたプロモーターレス遺伝子ターゲッティングをヌクレアーゼ無しで行い、血友病Bマウスで出血性素因の改善が見られたことを示す。具体的には、我々はプロモーターレスヒト凝固第IX因子(F9)遺伝子を、肝臓で発現するマウスのアルブミン(Alb)遺伝子座にターゲッティングした。F9は上流の2Aペプチドのコード配列と共にターゲッティングされ、Alb終止コドンのすぐ上流に挿入された。F9はDNAとRNAレベルでAlbと融合されるが、リボソームスキッピングにより2つのタンパク質がそれぞれ合成される。従って、F9の発現は肝臓アルブミンのロバストな発現と関連しており、かつ肝臓アルブミンの発現を妨げていない。AAV8-F9ベクターを新生仔と成体のマウスに注入したところ、肝細胞のアルブミン対立遺伝子の約0.5%でオンターゲットの挿入が起こった。我々は、F9はオンターゲットの挿入のみから産生され、リボソームスキッピングが非常に効率的であることを確認した。F9の血漿レベルは正常値の7~20%で安定しており、治療したF9欠失マウスの凝固時間は正常であった。結論として、高発現する内在性遺伝子への2A融合として導入遺伝子を挿入することで、ヌクレアーゼおよび/またはベクター由来のプロモーターの必要性を取り除くことができる可能性がある。この方法により、挿入部からの発現を治療レベルに保ちつつ、オフターゲットの影響を大幅に下げることで、乳児と成人の両方において、安全かつ効果的な遺伝子ターゲッティングが可能になるかもしれない。

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