Nature ハイライト

宇宙:土星からの塵の流れ

Nature 433, 7023

今週号掲載のS Kempfたちの報告によると、土星探査機カッシーニは去年、土星に到達した際にこの巨大惑星から吹き付ける塵(ダスト)を浴びていたようだ。2004年初頭にカッシーニが土星から6,000万キロメートルの圏内に入った時、搭載されたダスト計測器が散発的な高速粒子の衝突を記録していたことが明らかになった。これらのバーストは、カッシーニが土星に近づくにつれ、さらに頻度を増し強いものとなっていった。そして探査機は、去年6月に土星の周回軌道に入った。 土星がダストを噴出していることは予想されていた。木星がダストを噴出していることがすでに分かっていたからだ。木星ではダストの主な発生源は衛星のイオなので、土星のダストも同じように氷の衛星であるディオネやレアの周囲からやって来るのかもしれない。しかしこのダストが土星のトレードマークである環からやって来ている可能性もある。帯電したダスト粒子は、土星の磁場との相互作用によって、土星の外に押し出されていると考えられる。

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