Nature ハイライト

がん:肝臓がんの誘導機序

Nature 513, 7516

イソクエン酸デヒドロゲナーゼ(IDH)の、がんと関連した機能獲得型変異は、α-ケトグルタル酸依存的ジオキシゲナーゼ酵素を阻害できる「がん代謝物」、2-ヒドロキシグルタル酸(2HG)を産生する。今回、N Bardeesyたちは、2HGが発がんにおいて積極的な役割を担っていることを示している。変異型IDH は、2HGの産生と幹細胞分化のマスター調節因子HNF-4αの抑制を介して、肝前駆細胞が肝細胞系譜へと進行しないように阻害する。さらに、変異型IDHは活性型Krasと同時に存在すると、肝前駆細胞の増殖、前悪性状態の胆道病変の形成、転移性の肝内胆管がんのプログレッションを促進する。今回用いられたトランスジェニックマウスモデルは、IDHの機能についての研究をさらに推し進めるものであり、現行の治療に耐性のある胆管がんとの関連において、特に重要である。

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