Nature ハイライト

免疫学:新規な免疫不全症

Nature 510, 7504

ウイルス性疾患が再発しやすいが、既知の原発性免疫不全症の可能性は考えられないという、互いに無関係な複数の家系についての研究から、これまで知られていなかったヒトの遺伝性免疫不全症が見つかり、また病原体に対して効率のよい免疫応答を誘導するために必要な分子経路が解明された。シチジンヌクレオチド5′-三リン酸シンターゼ1(CTPS1)遺伝子の機能喪失型変異は、抗原刺激後のT細胞増殖の重篤で選択的な障害と関連しており、このことからCTPS1が適応免疫における重要なチェックポイントであることが突き止められた。CTPS1の欠損は他の表現型異常は誘導しないので、これらの知見はCTPS1が望ましくない適応応答を阻害する薬剤の標的となる可能性を示唆している。

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