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免疫学:ヒトでの欠損によって明らかになった、リンパ球増殖におけるCTPシンターゼ1の重要な役割

Nature 510, 7504 doi: 10.1038/nature13386

抗原認識と共刺激シグナルによって誘発されるリンパ球機能は急激な細胞分裂と関連しており、従って代謝適応と結び付く。ヌクレオチドであるシチジン5′-三リン酸(CTP)は、DNA、RNAおよびリン脂質の代謝に必要な前駆体である。CTPには、サルベージ経路とde novo合成経路という2つの起源がある。de novo合成経路は、CTPシンターゼ(もしくはシンテターゼ)1および2(CTPS1とCTPS2)という2つの酵素に依存しているが、これらの酵素のそれぞれの役割は知られていない。CTPシンターゼ活性は、リンパ球でのDNA合成の重要な段階であると考えられる。今回我々は、ヒトで新規で致命的となる免疫不全症を引き起こす、CTPS1の機能喪失型ホモ接合変異(rs145092287)を確認した。この免疫不全症は、活性化TおよびB細胞が、抗原受容体による活性化に応じて起こる増殖が不可能になるという異常を特徴とする。これとは対照的に、近位および遠位のT細胞受容体(TCR)シグナル伝達事象と応答は、CTPS1が無くても弱い影響しか受けなかった。活性化したCTPS1欠損細胞では、CTPレベルが低下していた。CTPS1欠損細胞では、野生型CTPS1の発現、もしくは外来性CTPまたはそのヌクレオシド前駆体であるシチジンの投与によって正常なT細胞増殖が回復した。静止期T細胞ではCTPS1の発現は低いが、TCR活性化後には速やかに増加することが分かった。これらの結果は、CTPS1は免疫応答の間に活性化リンパ球の増殖を維持する能力を持っており、そのために免疫系で重要かつ特異的な役割を果たしていることをはっきり示している。従ってCTPS1は、リンパ球活性化を特異的に減弱可能な免疫抑制剤の治療標的となると考えられる。

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