Nature ハイライト

神経科学:子育て行動を制御するニューロン群

Nature 509, 7500

雄のマウスが仔マウスに対してどのようにふるまうかは、交尾経験によって根本的に変化する。未交尾の雄は仔マウスを攻撃するが、交尾経験を経た父マウスは子育て行動を示す。今回C Dulacたちは、フェロモンを感知できないようにした未交尾の雄マウスが仔マウスを攻撃しないことを明らかにした。さらに注目すべきことに、未交尾の雄マウスで、神経ペプチドのガラニンを発現する視床下部ニューロンの一群を活性化すると、攻撃性が抑えられ、仔マウスに対してグルーミング(毛づくろい)を行うようになることも判明した。ガラニン発現ニューロンを遺伝学的に除去すると、母親および父親の仔に対する子育て行動が著しく損なわれる。雌雄両方の子育て行動を制御するニューロン群が分子レベルで見つかったことは、神経科学や動物行動学の分野から広く関心を呼びそうだ。

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