Nature ハイライト

がん: MTH1はRasに関連するがん治療標的である

Nature 508, 7495

がん遺伝子Rasに生じた変異は予後不良と関連する。MTH1は、損傷した塩基のDNAへの取り込み防止に関わっているタンパク質で、その過剰発現はRasが誘導する老化を阻害することが知られていた。T Helledayたちは、損傷したデオキシヌクレオチド(dNTP)ががんを促進する仕組みを解明する研究を行い、MTH1の活性が形質転換細胞の生存に必須であることを明らかにし、MTH1の低分子阻害剤としてTH287とTH588の2つを見つけた。これらの加水分解酵素阻害剤の存在下では、がん細胞だけがそのDNAへ損傷ヌクレオチドを取り込み、その結果として細胞毒性が生じてマウスの異種移植がんモデルで有益な応答が誘導された。一方、G Superti-Furgaたちは、Ras依存性がんで使用するために開発された低分子薬SCH51344の標的を探索し、この分子がMTH1を不活性化することを見いだした。この結果からさらに、MTH1の新しい強力な抑制剤で鏡像異性体選択的に働く(S)-クリゾチニブが見つけられた。大腸がんの動物モデルでは、この薬剤が存在すると腫瘍増殖が抑制される。

Article p.215
doi: 10.1038/nature13181 | 日本語要約 | Full Text | PDF
Article p.222
doi: 10.1038/nature13194 | 日本語要約 | Full Text | PDF
News & Views p.191
doi: 10.1038/nature13221 | 日本語要約 | Full Text | PDF

2014年4月10日号の Nature ハイライト

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