Nature ハイライト

宇宙:大域的な惑星形成率

Nature 499, 7456

星団内の惑星(想像図)。
星団内の惑星(想像図)。 | 拡大する

Credit: Michael Bachofner

現在に至るまで、古い散開星団にある星の周りでは、木星と同程度の質量を持つ惑星が4個しか見つかっていない。これに比べると、星団外の「散在星」の回りでは、惑星が800個以上見つかっており、その大部分は海王星と同程度の大きさである。大部分の星と惑星は、散開星団の中で生まれるが、星団内の星々は徐々に離れて散在星になっていき、散開星団は数億年以内にばらばらになる。だがもっと古い散開星団は残存する。なぜなら、その形成時の星の密度はもっと高く、惑星を持つ散在星とは星の環境が非常に異なっていたからだ。今回、ケプラー探査機による星団研究(Kepler Cluster Study)の一環として、年齢が10億歳の散開星団NGC6811にある2つの太陽類似星で、海王星よりも小さい惑星が前面通過する事象を観測した結果が報告されている。この結果は、密度の高い星団の環境で小さい惑星が形成され生き残れることを示しており、散開星団に見られる惑星の存在頻度と性質が、我々の銀河系の散在星にある惑星のものと矛盾しないことを示唆している。

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