Nature ハイライト

物理:スカーミオンがフェルミ液体挙動の破綻を引き起こす

Nature 497, 7448

伝導電子の挙動を記述するフェルミ液体論は、超伝導や強磁性を含む広範囲にわたる現象を説明できるため、固体物理学の最も成功した理論の1つとなっている。そして、フェルミ液体論が破綻する例について、基本的な関心が持たれている。そうした興味深い問題の1つが、最近広く知られるようになった種類の秩序化現象、すなわちトポロジカルに保護されたスピン配置からどのようにして非フェルミ液体の挙動が生じるのかというものである。今回、マンガンシリサイド(MnSi)のそうしたトポロジカルスピンテクスチャー、いわゆるスカーミオンが、圧力を高くしながら電子輸送測定を行うことで調べられた。その結果、スカーミオンが極めて安定であり、フェルミ液体的挙動の破綻を引き起こすことがわかった。

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