Nature ハイライト

構造生物学:mTORキナーゼの構造

Nature 497, 7448

mTOR(mammalian target of rapamycin)経路は、エネルギーや栄養、増殖因子などの環境シグナルに反応して起こる細胞増殖の重要な調節因子であり、がんや代謝性疾患ではこの経路の調節に誤りが生じている。今回、mTORキナーゼの結晶構造が初めて報告された。正の調節因子、あるいは小分子のATP拮抗阻害剤と結合したこの酵素の分解能3.2 Åでの結晶構造から、これが本来的に活性型のキナーゼであることが明らかになり、またラパマイシン–FKBP12複合体がキナーゼドメインへの基質供給を阻害する仕組みが説明される。

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