Nature ハイライト

構造生物学:V1-ATPアーゼの回転機構

Nature 493, 7434

液胞型H+-ATPアーゼ(V-ATPアーゼ)は、真核生物の細胞で細胞内の膜や細胞膜を通過するプロトン輸送とATPの加水分解を共役させる生体分子回転モーターである。V-ATPアーゼは多くの細胞内過程で機能しており、骨粗しょう症やがんなどの疾病の重要な薬剤標的となっている。今回、腸内連鎖球菌Enterococcus hirae由来のV1-ATPアーゼの複数のX線結晶構造が報告され、ATPがタンパク質に結合した際に起こるコンホメーション変化が明らかになった。また、この膜タンパク質の回転機構のモデルが、これらの構造に基づいて提案されている。

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