Nature ハイライト

物性:凝縮物質における新しい「hastatic」秩序

Nature 493, 7434

重いフェルミオン化合物URu2Si2には、17.5 K以下の温度に謎の多い「隠れた秩序」相が存在し、この相の特性は25年の間よくわかっていなかった。今回、さまざまな実験的証拠を用いて、17.5 Kで起こる自発的な相転移の性質が明らかにされ、単一と二重両方の時間反転対称性の破れが生じて、ウラン原子の5f2軌道において遍歴伝導電子と局在した「イジング」状態の混合が起こるという結論が得られた。これは基本的に新しい種類の秩序であり、ラテン語のhasta(槍)からhastaticと名付けられた。この現象は、f軌道状態との混合が起こるほかの系にも適用できる可能性がある。

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