Nature ハイライト

生化学:ヒ酸とリン酸を区別するという難問を「短い結合」で解決

Nature 491, 7422

細菌は、生命にとって必須のリン酸と、それによく似ているがほとんどの生命体に対して非常に強い毒性を示すヒ酸とをどうやって区別しているのだろうか。今回、ペリプラズムにあって細菌細胞へのリン酸の取り込みを行うリン酸結合タンパク質(PBP)のいくつかについて、その生化学的特性が詳細に検討され、PBPは生息環境中のヒ酸の量に依存して、500〜4,000倍の選択性でリン酸を選び出すことがわかった。ヒ酸感受性細菌とヒ酸非感受性細菌のPBPの超高分解能での構造の比較から、リン酸に比べると半径がわずか4%だけ大きいヒ酸は、認識部位で決定的な役割を持つ構成要素の、異例に短い高エネルギー水素結合を歪めると考えられる。

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