Nature ハイライト

進化:RNAワールドでの協同作用

Nature 491, 7422

生命誕生の初期はRNA分子だけの世界だったとする「RNAワールド」と呼ばれるモデルでは、RNA分子が独立で機能するよりも相互作用できたほうが、生命の誕生や進化が実現しやすかっただろうと考えられてきた。そして今回、実際に相互作用が可能であることが明らかになった。N Lehmanたちは、この考え方の妥当性を、集合してリボザイムを形成できるRNA断片群を含むモデル系を使ってin vitroで実証した。これらの断片が形成する協同的ネットワークが、自己触媒性のRNA断片群との競争に勝てることを明らかにしたのである。この研究は、RNA集団には協同作用によってさらなる複雑性を進化させる能力が備わっていることを示していており、こうした協同的な振る舞いの有益性は地球の生命誕生の初期に確立されていたと考えられる。

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