Nature ハイライト

脳:視覚情報処理の積み上げ

Nature 483, 7387

知覚などの認知機能を担う大脳皮質は、複数の異なる細胞層からなる。個々の層がどのような機能を持つのかはよくわかっていないが、M Scanzianiたちは、ある1つの層について、感覚情報処理に果たしている役割を決定した。マウス視覚野の第6層のニューロンを、光遺伝学の手法で選択的に興奮させたり抑制させたりするという、従来は不可能だった操作を行って、この層のニューロンが、より浅い層のニューロンの視覚刺激に対する応答の大きさを、応答選択性は変えずに調節することがわかった。研究チームは、第6層が、皮質内と視床内の両方で他のニューロンとの相互作用を通じて、視覚の皮質情報処理の増幅量を制御する役割を果たしていると結論している。

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