Nature ハイライト

物理:磁気画像化

Nature 466, 7308

ナノ磁気学研究の急速な進歩は、磁気センシング技術や磁気メモリー技術に果敢に応用されてきた。しかしこれまで、これらの複雑なナノスケール構造体の特性評価ができる高分解能の磁気画像化手段はなかった。今回、オハイオ州立大学(米国)の研究チームが、強磁性共鳴画像化とよばれる走査プローブ技術を開発し、それを可能にした。一般的に、強磁性共鳴に基づく研究では、分光学的情報しか得られず、画像化ができない。これは、強磁性共鳴モードが試料全体に広がるためである。今回の新しい方法では、マイクロ磁気プローブの空間的に閉じ込められた強い磁場を使って、強磁性共鳴モードをプローブ直下に局在化させている。これによって、磁気的特徴がナノ構造体の表面下に埋もれていても、最高200ナノメートルの分解能でそれらの特徴を画像化することが可能になる。

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