Nature ハイライト

生理:雄の涙に誘われて

Nature 466, 7302

マウスでは、フェロモンと、鋤鼻器官によるその感知によって社会的行動が制御されることが知られているが、化学的シグナルで特定の行動応答との関連が明らかにされているものはほとんどない。はが紗智子(東京大学)たちは今回、雄の涙液中に分泌されるESP1ペプチドが雌の性的受け入れ行動を促すことを明らかにし、その特異的な鋤鼻受容体(V2Rp5)、並びに行動応答時に活性化される性行動に特異的な神経回路を同定した。このような「専用ライン」の論理がほかの哺乳類の生殖行動の制御にまで拡大可能か否かは、まだ明らかでない。

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