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細胞:ショウジョウバエの女王

Nature 473, 7348

ショウジョウバエの女王
ショウジョウバエの女王 | 拡大する

Credit: Masaki Kamakura

ミツバチの集団における女王バチと働きバチの違いは、遺伝的要因ではなく栄養によるもので、ローヤルゼリーを食べた幼虫が女王バチへと分化する。ローヤルゼリー中の活性成分はこれまでずっと明らかになっていなかったが、ロイヤラクチンであることを鎌倉昌樹(富山県立大学)が突き止めた。ロイヤラクチンは以前から知られているタンパク質で、ラット肝細胞に上皮増殖因子(EGFR)に似た作用を及ぼす。意外なことに、ロイヤラクチンはキイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)でも女王バチに似た表現型を誘導し、EGFRがかかわるシグナル伝達経路を介して体のサイズを大きくし、卵巣の発生を促す。

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