Nature ハイライト

細胞:リン脂質のスクランブル

Nature 468, 7325

真核細胞の細胞膜では、リン脂質が非対称的に分布している。アポトーシスなどの生物学的過程ではリン脂質の非対称性が破綻して、細胞膜内層のホスファチジルセリンが膜の外側表面に露出する。脂質二重層間のリン脂質の双方向移動は、リン脂質スクランブラーゼの活性化によって引き起こされると、これまで考えられてきた。今回、膜貫通タンパク質のTMEM16ファミリーに属するTMEM16Fが、この働きを担うタンパク質であることが突き止められた。また、リン脂質のこのスクランブル(入れ替え)活性に欠陥があるために生じるスコット症候群の患者1人で、TMEM16F遺伝子に変異が生じていることも明らかになった。

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