Nature ハイライト

構造生物学:ラッサ熱ウイルス核タンパク質の構造

Nature 468, 7325

ラッサ熱ウイルス(LASV)は病原性を有するアレナウイルスで、ヒトで重症の出血熱を引き起こすことがあるが、この病気に対するワクチンや有効な治療法は現在のところ存在しない。今回、LASV核タンパク質の1.80 Å分解能での結晶構造が初めて報告され、予想外の機能が明らかになった。核タンパク質のC末端ドメインは3′ → 5′エキソヌクレアーゼ活性をもち、短鎖RNAを切断でき、またウイルスにより誘導されるインターフェロン産生を抑制することができる。N末端ドメインは珍しいキャップ結合特性をもっており、これはアレナウイルス独特のキャップスナッチング機構の解明にかかわってくる。

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