Nature ハイライト

生態:個体群が終末に近づくとき

Nature 467, 7314

環境の悪化で消滅に向かう個体群は、ある時点で臨界点を通過し、それを越えると消滅が不可避となる。そうした重要な「転換点」を前もって予測することができれば明らかに有益であり、「臨界遷移」理論によれば、そうした予測は生態系、金融市場、さらには気象といったさまざまな動態系で可能だと考えられる(go.nature.com/uHi555参照)。今回J DrakeとB Griffenは、オオミジンコ(Daphnia magna)の個体群を用いた実験で、消滅する運命にある個体群の基礎的な成長方程式に、「臨界減速(CSD)」とよぶ点を見つけた。今回の実験の結果は、自然界のCSDを非常に高感度で検知するための時期、地点、および方法を示しており、個体群の存続可能性を評価するための新たな手法を示唆している。

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