Nature ハイライト

生態:生き残った小型哺乳類

Nature 465, 7299

約1万年前の更新世末期に起こった大型哺乳類(大型動物相)の世界的消滅は、議論の的になることが多く、よく知られている。これらの哺乳類は、人類による大量殺りくの犠牲になったのだろうか。それとも、気候変動の巻き添えになったのだろうか。また一方で、げっ歯類や食虫類などの、もっと小さい哺乳類はどうだろうか。これらは大型動物相よりもはるかに広汎な化石記録が残されていることが多く、しかも、ヒトによる狩猟の対象になることははるかに少ない。今回、カリフォルニア北部の地層にみられる豊かな小型哺乳動物相の研究により、小型哺乳類は大型哺乳類に比べて、更新世から完新世への移行で絶滅した可能性が非常に低いことがわかった。その代わりに、多様性や均質性は影響を受け、個体数の少ない種が一層希少化し、餌や生息域をあまり選ばない「雑草のようにたくましい」種はより広くみられるようになった。

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