Nature ハイライト

宇宙:環から生まれた衛星

Nature 465, 7299

土星の小衛星の集団は、巨大惑星の普通の衛星とは際立って対照的である。土星のエンセラダスや木星のエウロパといった衛星は、親惑星の赤道面上を周回していて、惑星とだいたい同じ時期、45億年前に集積を終えたと考えられている。一方、土星の氷の小衛星はずっと若く、1,000万年前以降に形成され、そのスペクトルは主環のものに似ているため、環の縁での集積によって形成されたと考えられてきた。新たに行われた土星系の連成数値シミュレーションはこの考えを裏付けており、土星から14万キロメートルの距離のロシュ限界(これより離れると環が重力的に不安定になる)より遠くへの土星主環の粘性拡散によって、こうした小衛星が形成されたことを示唆している。これらの衛星が形成された後、環の縁は内側に移動した。

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