Nature ハイライト 宇宙:ティコ・ブラーエが観測した超新星はIa型だった 2008年12月4日 Nature 456, 7222 Ia型超新星は、宇宙論での距離指標として用いられており、連星系を成す白色矮星が熱核爆発した結果として生まれる。超新星になる前の連星の性質と爆発の過程については、重要な疑問が解決されないまま残っている。我々の近傍にこのような超新星があれば、その答えを見つけるのに役立つかもしれない。今回、その例が1つ見つかった。1572年にティコ・ブラーエが観測した超新星が発する光の「エコー」が最近見つかり、その可視光スペクトルが決定された。そして、このSN 1572が実際に、宇宙論的に我々のすぐ近傍といえる天の川銀河にあるIa型超新星だとする推測が確かめられた。このことは、436年前に起きた爆発と、現在みられるその超新星残骸の両方の観測結果と詳細に比較できるようになった爆発モデルに、厳しい制限を課すことになる。 2008年12月4日号の Nature ハイライト 宇宙:ティコ・ブラーエが観測した超新星はIa型だった 気候:北極域でのメタン放出を再検討する 細胞:幹細胞の老化 宇宙:金星の雲を調べる 地球:メンタワイ地域の地震応力 進化:誤りを指し示すパンデリクティス 細胞:二重の暴露 細胞:受精の最初の過程 神経:神経運動系の代替装置 目次へ戻る