Nature ハイライト

細胞:受精の最初の過程

Nature 456, 7222

哺乳類の受精の最初の過程は、卵を取り囲む膜(透明帯)中の外被タンパク質と精子間の認識であり、これによって、種特異性と卵に1個の精子のみが受け入れられるという規則がしっかり守られる。マウスの透明帯タンパク質ZP3は精子の主要な受容体であり、その最もよく保存されたドメインであるZP-Nは、多様な生物学的機能をもつ多数の細胞外タンパク質にも存在する。今回、ZP3のZP-Nドメインの結晶構造が決定された。ZP-Nは免疫グロブリンに似た折りたたみがされているが、免疫グロブリン様の他のドメインとはあまり類似点がなく、このスーパーファミリーの新たなサブタイプとして区別される。ZP3のZP-Nの構造は、哺乳類の受精を原子レベル分解能で解明する手がかりとなるとともに、生殖医学や、ZP-Nをもつタンパク質が関与する非症候性難聴、または腎機能や血管異常などの病気にもかかわりがある。

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