Nature ハイライト

ナノテクノロジー:電力を集めるナノ材料

Nature 451, 7180

ナノデバイスはそれほど多くのエネルギーを使わない。もしもその必要な少量のエネルギーを、歩行、心臓の鼓動、騒音や気流などに伴って生じる振動から集めることができれば、パーソナル電子機器、センシング、防衛技術でのさまざまな用途への道が開かれる。この種のエネルギー収集には、例えば10 Hz未満といった低周波領域で機能する技術が必要であり、理想的には柔軟な材料の使用が望ましい。今回、ジョージア工科大学の研究グループが、低周波の振動/摩擦エネルギーを、織物用繊維の周りに放射状に成長させた圧電性酸化亜鉛ナノワイヤーを用いて電力に変換するシステムを実現した。2本の繊維を絡ませて繊維に結合したナノワイヤーを互いに擦り合わせることにより、機械的エネルギーが圧電半導体結合プロセスによって電力に変換される。この研究は、微風や身体の動きからエネルギーを集める織物を作成できそうな方法を明らかにしている。

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