Nature ハイライト

細胞:コヒーシンのもう一つの顔

Nature 451, 7180

ヒトゲノム中のコヒーシン結合部位の分布に関する研究で、遺伝子転写の区切り壁となる転写インシュレータータンパク質CTCFの結合部位にコヒーシンが一緒に局在することが明らかになった。コヒーシンは、染色体分配時に姉妹染色分体の接着を促進する「染色体の接着剤」の役目を果たすタンパク質として広く知られている。今回得られた新たな知見は、コヒーシンの持つ2つ目の独立した役割が、転写インシュレーターとしてのCTCFの機能の促進であることを示している。この発見は、ロバーツ症候群やコルネリア・ド・ランゲ症候群などコヒーシン異常を原因とする「コヒーシン病」に関与していそうな経路に関する手がかりとして、医学的な意味を持つと考えられる。

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