Nature ハイライト

Cover Story:研究の「Horizons」:5つの領域に関する将来の展望

Nature 451, 7179

今週号から始まる新シリーズ「Horizons」は、各分野の専門家に依頼して、当該分野でこの数年以内に起こりそうなことを予想してもらうという企画である。今週号の表紙は、A Gormleyによる鉄像オブジェ連作「Another Place」の1つを使って、このシリーズの基本姿勢を表している。第1回の冒頭では、T Kirkwoodがシステム生物学によって疾病と老化とを切り離して考えられるようになる可能性について論じている(p.644)。次いで、P Murray-Rustが化学に対する新しい「開かれた」取り組みについて述べている(p.648)。彼の論文が言外に意味するところはこれだけにとどまらず、人間と同程度の情報利用をコンピューターがやってのける「セマンティック・ウェブ」の将来にも及んでいる。M ArmandとJ-M Tarasconは、材料科学における進歩によって未来の電池が生まれる可能性を示す(p.652)。G Koentgesは、化石証拠とゲノム塩基配列や分子発生生物学が結びついた分野である「エボ・デボ」について論じている(p.658)。最後に、R J SchoelkopfとS M Girvinは、回路量子電磁力学が量子計算や量子コミュニケーション実現への道を開くだろうと予想している(p.664)。また、Nature編集長のP Campbellが、今週号およびこれからの「Horizons」について簡単なコメントを述べている(p.643)。

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