Nature ハイライト 世界人口動態:高齢化の加速 2008年2月7日 Nature 451, 7179 世界人口の高齢化速度は政策立案、中でも年金や医療保障の財政管理にとって重要である。特に、調整が最も困難になるだろう急速な変化の時期を予測することは不可欠だ。今回、年齢層を固定した従来の計測値と新しい年齢概念を組み合わせて、世界人口の高齢化傾向が新たに算定された。新しい概念では、現在の60歳が1900年生まれの60歳よりも「若く」て寿命までの生存期間が長いことを反映するために、固定された平均余命を取り入れている。こうして得られた推定値は、どのようにみても、世界人口の高齢化が加速していることを物語っている。世界的な高齢化は2020年から2030年の間にピークを迎え、その後減衰するとみられるが、今世紀中は高齢化のレベルが上昇し続ける。「高齢化のピーク」の時期は過去の出生率パターンによって決まる。そして、その時期は、米国と西ヨーロッパ諸国の一部では「ベビーブーム」世代が、中国では政府による出生率抑制策の施行時期が大きな影響を与える。 2008年2月7日号の Nature ハイライト 物理:3次元ホログラフィーに加わった新たな次元 化学:ゼオライトの形状選択性の解明 医学:アフリカの麻疹流行の消長 宇宙:エンセラダスの2つのプリューム 進化:時を旅するタンパク質 海洋:ゼネラリストが行う沿岸域の炭素代謝 環境:窒素堆積からの復活 世界人口動態:高齢化の加速 医学:損傷の原因は老人斑 目次へ戻る