Nature ハイライト

地球：再混合した地球

2007年11月29日 Nature 450, 7170

地球の上部マントルでみられる元素比は、コアが形成された後に外核物質がマントルへ戻って混合したことによって作り出されたと考えられているが、どのようにして再混合が起きるのかはよくわかっていない。親鉄元素は核に極めて豊富に含まれているので、マントルへの核の物質の寄与を調べるよい指標となる。L HaydenとB Watsonは、多結晶MgOを通る親鉄元素の粒界拡散を調べた実験結果について報告している。粒界拡散の拡散係数は十分に大きく、コア-マントル境界を通って親鉄元素を地質学的に意味のある距離（数十キロメートル）だけ、地球の歴史を通してずっと輸送する重要な機序になりうることがわかった。