Nature ハイライト

生物物理:頭が2つ

Nature 450, 7170

広くみられるモータータンパク質のキネシンは詳しく研究されてきたが、基本的な機構に関する1つの疑問が未解明のままであった。それは、キネシンが8 nmのステップとステップの間で待つとき、微小管に両方の頭部で結合しているのか、1個の頭部だけで結合しているのかという問題である。森徹平たちは今回、1分子蛍光共鳴エネルギー移動(smFRET)センサーを開発し、微小管に沿って歩行するキネシンモーターを追跡した。生理的濃度のATPの下では、キネシンはステップとステップの間を2個の頭部が結合した状態で待つのに対し、それより低いATP濃度では、1個の頭部だけが結合した状態が優勢であることが見いだされた。

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