Nature ハイライト 細胞:空胞をハイジャック 2007年11月15日 Nature 450, 7168 レジオネラ症の原因として最も一般的なレジオネラ菌(Legionella pneumophila)は非常に病原性が強いが、宿主マクロファージがこの菌を捕食したときに、マクロファージ内部に形成される空胞を利用できることがその一因となっている。空胞はもともと、病原体を宿主の酵素が破壊するための場所である。しかし、レジオネラ菌はこの空胞を乗っ取って、自分が小胞体まで運ばれるように仕向け、そこで増殖する。この乗っ取りにかかわるレジオネラ菌タンパク質が2種類見つかった。DrrAタンパク質が分子スイッチRab1を作動させ、その機能を悪用して小胞体と空胞が融合できるようにする。そして、レジオネラ菌が小胞体内に入り込むと、今度は、LepBタンパク質がRab1スイッチをオフにするのである。 2007年11月15日号の Nature ハイライト 生化学:RNAポリメラーゼIIの新レパートリー 細胞:空胞をハイジャック 宇宙:衝突でできた超新星 生理:電位依存性イオンチャネルの開口機序 生理:なかなか決定できなかった構造 量子情報科学:ハイゼンベルクの限界 光学:虹を捕まえる 神経:眠れる者よ、目覚めよ 細胞:アポトーシス細胞をメニューに載せる 目次へ戻る