Nature ハイライト

生理:電位依存性イオンチャネルの開口機序

Nature 450, 7168

電位依存性イオンチャネルは膜電位の変化に応答して開くが、その分子機構は明らかではない。2003年に発表されたMacKinnonたちによる先駆的研究で、開口過程には脂質に露出した「パドル」モチーフの動きが関与することが示されたが、この動きがどのようなものなのかについてはまだ議論が続いている。この問題に関して相補的な結果を示す2つの論文が、今週号に掲載されている。まずAlabiたちは、この構造モチーフを類縁関係が低いチャネルに移してもパドルとしての機能が忠実に保存されることから、この構造モチーフが重要であることを実証している。また、このモチーフが細胞膜中で動くこともわかった。一方Longたちは、改変されたKv1.2カリウムチャネルが脂質二重膜と似た配置をとる脂質に囲まれている際の高分解能構造を明らかにしている。パドル中の重要な正電荷は脂質とタンパク質の両方との相互作用によって安定化されており、パドルが電位に応答して動いてチャネルのイオン透過孔を開く可能性を示唆している。

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