Nature ハイライト

Cover Story:クローニングに新たな朗報:受精卵にもある再プログラミング能

Nature 447, 7145

クローニング分野でのずっと以前からの誤解が、今週号の論文で訂正された。1980年代初期に行われた最初の核移植実験以来、動物のクローニングや胚性幹細胞系列の作製には、減数分裂した未受精卵細胞へ体細胞核を移植しなくてはならない、と広く考えられてきた。今回Egliたちは、マウス細胞を用いた一連の実験により、受精後の接合子にも再プログラミング活性があることを示している。この知見は、核の再プログラミングとクローン動物の生物学的性質について再考を促すものとなりそうだ。この結果はまた、不妊治療で不要になった受精卵や胚性割球が、患者に合わせたヒト胚性幹細胞系列を作るのに適したレシピエント細胞となる可能性を示唆している。表紙は、有糸分裂中の受精卵への染色体移植によって作られたクローンでの最初の細胞分裂の様子(Fig. 2i, p.680参照)[Article p.679, News & Views p.649, www.nature.com/podcast]。

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